東京大学物性研究所
The University of Tokyo, The Institute for Solid State Physics
極紫外高次高調波レーザー時間分解光電子分光装置 (通称:4号機)
図1:時間分解光電子分光の全景と概要
実験室系における時間分解光電子分光では、非線形結晶BBOを用いた波長変換により6eV程度のパルス光を発生させ、それをプローブとして用いる装置が使われてきました。しかし6 eVという低い励起エネルギーで議論できるのは、フェルミ準位近傍の電子状態やブリルアンゾーン中心近傍の波数範囲に限られてしまいます。時間分解光電子分光において、より広いエネルギー・波数範囲の議論や内殻の電子状態などを議論するには、更に高いエネルギーのパルス光を発生させられるレーザー光源が必要でした。
上記の課題に対するアプローチとして、我々の研究室は当研究所の板谷研究室と共同で、極紫外高次高調波レーザーを使用した光電子分光装置を運用しています (図1)。我々の装置では高エネルギーのパルス光を得る方法として、Ti: Sapphiereレーザーからの光をCPA増幅法により増幅し、希ガスに集光すること(図2)で、高次高調波を発生させています。
図2:Arガスに集光されたレーザー光