軟X線レーザー時間分解光電子分光装置

当研究所渡部研究室で開発された軟X線レーザー(20eV-150eV)を励起光源として用いる、全く新しい光電子分光装置です。軟X線レーザーでは励起光エネルギーが低いため観測することの出来ない、バレンスバンド、内殻の電子構造を知ることが出来ます。また、パルスレーザーを用いたポンプ・プローブ分光により時間分解測定を行うことも出来ます。(参照:時間分解光電子分光装置
高調波レーザーを用いているため、次数を選択することにより様々な励起光エネルギーによる測定が可能となり、時間分解とあわせることによって従来では行えなかった様々な研究を行えるようになります。本装置により、光物性と電子物性のが密接に絡み合った系の解明や、光の積極的な電子物性研究への利用が進展すると期待されます。

●仕 様
 電子分光器: VG-SCIENTA R4000WAL (スウェーデン)
 励起光源: CPA増幅法によるTi:Sapphireレーザー高次高調波狭帯域VUV・XUVレーザー (20-150eV)
 冷却機構: 4He連続流型クライオスタット
●性 能
(計画)
 エネルギー分解能: >数10meV
 角度分解能: ±0.1 deg.
 冷却能力: >4.2 K
 温度制度: ±0.1度